でも、
今さら
俺がずっと側に居てやるなんて言えなかった



美海のいない未来なんて考えたことなかった



正直、美海と付き合っている未来も考えたことなかった


そう、近いようで遠いこの距離を


乗り越える勇気すら
俺なんかになかったんだ


「そうだな…」



俺はそれだけ言い残して美海の部屋から出た



もうこの先
この部屋には来ることのないような気がした


俺の背中を
美海がどんな表情で見ていたかなんて知りもしなかった