「ごめん…。一人で帰るから」


美海はそう言い残して走っていってしまった


そんな美海を追いかける気力なんて残っていなかったし


追いかけていいのかも分からなくなった


ただ最後に目にした美海の顔だけは忘れられないんだ


顔を真っ赤にして
涙でビショビショの顔を隠しながら俯いていた美海



でも俺は知っていた。
おまえがとても寂しそうな表情を浮かべていたことを


だから嫉妬してしまったんだ。



誰のためにそんな表情をするの?



誰のためにそんなに涙を流すのか



誰かわからない誰かに嫉妬していたんだ