「キス、しても良いか…?」



最初にした時はそんなの聞かなかったのに…


そう改めて確認されると恥ずかしい。



「…うん」



あたしの返事を聞くと、悠斗が顔を近づけてくる。


目を瞑るとともに唇に感じる暖かな熱。


頭がそれだけに集中している。


まだ胸は高鳴っているけれど…さっきよりも穏やかなリズムを刻んでいて。


もう、夢だったら覚めなくていいかも…


ただ触れ合うだけのキスから深いものへと変わっていく。



「…んっ、…ふ」



自分じゃないような甘い声が漏れる。


少しの間は応えていたあたしもだんだん呼吸が出来なくなってきて…


顔が離れた瞬間にふらついたのを、悠斗は抱き止めてくれた。



「ゴメン。やり過ぎたよな…」


「ううん。幸せ…だから」



悠斗がやってくれたようにあたしも手を回してぎゅっと抱きしめる。


絶対手を伸ばしたとしても届かないと思っていた存在。


その人がこんなにも近くにいるなんて…