なんとか母親にメールして。



目が覚めたら朝だった。


隣りで眠る、ずっとずっと好きだったひと。


大きな体で実里を包んでくれている。

長いまつ毛。りりしい眉。少し薄い唇。

どこをとっても実里の好みで。

あぁ、陵も康太に似てるんだ、と今になって気付く。



「幸せ…。」



明日はアキの結婚式。

ピアノの演奏をたのまれているんだった。
リハーサルのために今日は式場に行かなければならない。

康太と離れたくないから、行きたくなくて困る。

でも、今はもう少しこうやって眠りたい。


幸せな気だるいまどろみの中、ああだこうだと考え事をしながら。


いつの間にか実里は眠りに落ちていた。