「････あーぁ、ヤな事思い出しちゃったよ。やっぱ、外に出る度に独り言言うのやめよーかな････」
すると、腰のあたりにナニかが巻きついた。
････イヤ、腕だということは分かってますよ？
ただ、その腕が、
「････紫苑？」
紫苑のだという事に驚いてるだけですよ？
ホントに。
「････紫苑？どうしたの？」
紫苑は何もいわずに腕に力を込めた。
「････紫苑？おーい？シーオンー？」
わざとらしく腕をトントンと叩いてみる。
「････紫苑？「静かにしろバーカ」
「あら、いつも通りじゃん」
でも、一向に離そうとしない。
「紫苑？風邪悪化するよ？早く戻ろーよ」
「････蒼」
「なーに？」
「････フラつくからおぶってって」
「････ホラ～♪言わんこっちゃ無い。しょうがないなぁ～。ホラ♪」
そして、紫苑は顔を背中に埋めた。
「さーて、寝ようかな････」
宿に向かってある来だした。
