「いやぁ、本当にスイマセン。ちょっと特殊な所で生きてきたものでして・・・・なかなか見れなかったんですよ」

紫苑が作り笑いしながら看守さんと話している。

「おや、そうだったんですか?それならばどうぞごゆっくりご覧くださいね。・・・・最も余り面白いものはありませんが・・・・」

看守さんは笑っている。

目、以外は。

そりゃそうだ。

牢獄を見たいという旅人はいない。

何をしでかすか分からない。

疑わない方がどうかしている。

「しかし・・・・コレだけ厳重だと犯罪者は脱獄しないのでは?・・・・したとしてもスグ捕まって仕舞いますね」

とりあえず誉めてみる。

すると看守さんは目を輝かせて、

「そうなんですよ!実は壁に細工が・・・・」

説明を始めた。

警戒は解けたみたいだ。

ビーッビーッビーッ 

当たりはバタバタと騒ぎ始めた。

「なんだ!?」

「大変です!」

「何があった!」

「『第一級保護』を受けていた少女が暴れ出しました!」