「すいませーん!どうかしましたかー?」

男性に話し掛けた。

「ん?どちら様で御座いましょう?」

「・・・・いえ、怪しいものではありません。あなたが何か悩み事でもあるのではないかと思いまして・・・・」

男は申し訳無さそうに笑った。

「・・・・・・・・いやね、俺としたことが、燃料をきらしちまってよ。参ったよ」

男はガシガシと頭をかいた。

「・・・・そうですか・・・・それでは、燃料を少しお分け致しましょうか?」

びっくりした顔をこちらに向けた。

「い、良いのかい?」

「はい。少々多めに買っといたものでして・・・・
重くて重くて・・・・ねぇ?」

「あぁ・・・・。すこーし買いすぎたんだよな・・・・
オマエのせいで(黒笑)」

紫苑が物凄く怖い。

そう。少し、買いすぎたんだ。

固形燃料の方ではなく、ドラム缶に入っている
液体燃料の方を。

「(20個が少しな訳あるか!馬鹿が!お前がだまされなければでこんなに燃料を買わずにすんだのに!)」

小さい声で怒る。

「(ゴメンってば。だって・・・・生活が苦しいって言われると・・・・買ってあげなきゃって思っちゃうんだもん)」

「あの?いかがなさいました?」

「いえ、何でもありません。どれくらい必要ですか?」

「ちょっと遠いので・・・・」

「それでは、10個くらい差し上げます。足りますか?」

「・・・・!十分です!有り難う御座います!」

助かった。と思いながら、紫苑と二人で燃料を積んであげた。