そして、皆が帰って行った後。

「なぁ、楓」

紫苑が話しかけてきた。

「何?」

「蒼は?」

「蒼?・・・・今日は風邪引いてるんだって」

僕がそう言うと、

「・・・・なぁ、楓」

「何?」

「俺が・・・・忘れてると思ってんのか?」

と、横目で見てきた。

「・・・・何となく、覚えてる気がしたけど・・・・ホントに覚えてるとはね・・・・」

「・・・・お前が、あいつ等の記憶を書き換えたのか?」

「・・・・そこまで知ってるのか」

紫苑は当たり前だ。とどや顔した。