「ほう?お前が?」

「・・・・そうですけど?」

まじまじと眺めて、

「・・・・貴様等にチャンスをやろう。この娘を帝に渡すか。村を明け渡すか。どちらだ?」

ザワザワとにわかに騒ぎ出す。

「行く!それで村を明け渡さなくてすむなら・・・・行く!」

・・・・そして、僕は帝の元に連れてがれた。

あの村に、僕の帰りを待ってくれる人は紫苑だけ。

村人達は雪がいると知って喜ぶだろう。

・・・・さあ、僕は僕の仕事をしなくちゃ。