「・・・・そっか。いやー、参ったね・・・・」

雪はポリポリと頭をかいた。

「え?」

「その話が本当だとしたら、あたし、世界を停滞させちゃうじゃん?」

「そう・・・・言うことになるね」

少しだけ、言葉を濁した。

「あたし、知ってるんだ。あたしに降りかかる事、あたしがどうなるか。後、黒雷と白雷って子達もね」

「え?」

僕は耳を疑った。

雪が白雷と黒雷を知っている。

これからのことも、どうなるかも、すべて。

「白雷と黒雷はね、多分、自分の駒を上手く動かしてくる。きっとあたしは連れて行かれる。
そうなるのは避けたい所だね」

雪は冷静に分析する。

「信じるの?・・・・僕、嘘付いてるかもしれないよ?」

威張るように立って、

「信じるの。あんたが嘘付いてるようには見えないし、あたしの正体も知ってるし。それに」

僕を指差して、

「そんな事言ってる奴は、大抵嘘付かないんだよ」

ニッコリ笑っていた。

「・・・・思い付いた。僕が囮になる。そうすれば多分、世界も、君も救える」

「はぁ!?男のあんたが?スグバレるよ?」

「・・・・大丈夫。帝はいつ来る?」

「・・・・明日。お昼頃に」

「OK・・・・紫苑。今日、野宿になるかも・・・・」

なんて話をしていると、

「待って。家に泊まって行きな」

雪がすかさず言った。

「・・・・いいんですか?」

「当たり前!お前達の為にな!」

こうして、僕達は雪の家にお邪魔する事にした。