入部して数週間がたって、基礎練が本格的に始まった。この基礎練は、8月の大会に向けての第一歩だった。最初は、音程なんて気にしてなかった。というよりも、音程より音を出すことしか頭になかった。このとき私もみんなと同じように、音程を気にしてなかった。が、心の中では一人ひとり全員で音を合わせたいと思っていた。しかし、そんなことを行っている暇はなかった。理由は、8月まで残り、3ヶ月しかなかったからだ。たしかに2、3年は、1年生より少しは多く練習しているものの、まだダメダメだった。それなのに1年生がだった3ヶ月で曲が完成するのかと先輩や先生は心配していた。