セブンが扉の鉄輪を引いて明けると、ドラゴンの瞳だけが暗い部屋に浮いていた。


「マッテイロ」

 
 ドラゴンが魔力を送ったのだろう辺りの反応石が一斉に光だしドラゴンの全体が見てとれるようになった。


 無知なる者の止まり木よりも巨大な地下空間に、

 苔の生えた瑠璃色の鱗を持つ巨龍が羽をたたみ寝そべる形で四人を見下ろしていた。


ミニッツ&セコンド「でかい!」

クラッシュ
「おい!失礼だぞ、お久しぶりです。

 フォロフォロ様」

ミニッツ&セコンド
「可愛い名前だな」

 ミニッツとセコンドはセブンに耳打ちした。

クラッシュ
「ミニッツ!セコンド!」

フォロフォロ
「ヨイ、ヨイ。

 ワタシノ、チイサキコロニ、ツケラレタ、ナダ。

 ナツカシク、イトシイナダ」

クラッシュ
「お恥ずかしながら、時は一刻を争います」

フォロフォロ
「ワカッテイル。

 ヒトハイソギスギル。

 セブン、ハジメノ、コロハ、スマナカッタ」

 そう言うとドラゴンは半目でセブンを見た。


クラッシュ
「初めて魔力送りをした時、気を失っただろう?

 今まで送った魔力も全てフォロフォロ様に送られていたのだ」


フォロフォロ
「メズラシイク、ウマイ、ナツカシイ、チカラダッタノデナ。

 レイヲシヨウ」

 そう言うとフォロフォロは大きく口を開けた。

 牙の隙間から先端が二つに割れた舌が一点を指している。


フォロフォロ
「クイハ、セン、ハイレ」

 焦っているクラッシュに促され、セブンは恐る恐るドラゴンの口に入って行った。


 舌が示している場所には剣が刺さっているようだ。

 
 セブンはそれを抜くと血が溢れだした。

セブン「うわっすいません」

フォロフォロ「ヨイ、ヨイ」

 セブンは舌に急かされるようにドロドロの剣を手に龍の口から出た。