華國軍部隊長等の活躍もあり煌皇軍の被害はさらに拡大する。


 更に魔力を限界まで消費したセブン達華龍王華隊の猛攻に煌皇軍将軍フェネックは恐怖した。


フェネック
「強い…。

 命を捨てる覚悟でなければこの兵力差でも互角以下か…

 
 ボーワイルド殿が奴等を危惧するのも分かる。

 
 一旦兵を引き体制を整える!」

 
 フェネックは戦況を打破する為にその場を離脱し、

 騎馬隊もそれに続いた。

 
 それに呼応しセブン達はノームとボルト族が築いた亡骸の防壁に身を潜める。

 
 しかし、華國側の敗北は決定的となっていた。

 
 魔法使い達の魔力は尽き、歩兵では騎兵に対して圧倒的に不利であったからだ。

 
 何より皆連戦続きで疲弊しきっていた。

 
 傷を受けた者、死にゆく者の最後の声が息を潜めていた連合部隊内に響く。


 再集結した煌皇軍に油断は無く、

 フェネックによる怒号で騎馬軍は防壁を周回し始める。

 
 次々に投げ槍が投げ込まれていく、必死で防ぐセブン達。

 
 泣きながら耐える兵士、怒りを押さえきれぬ勇士、

 彼等は一様に最後の突撃の合図を待っていた。


 

 そして、その状況を少し離れた場所で見つめる二つの団があった。

 一つは騎馬隊、もう一つは歩兵隊であった。