入り口ののれんを掻き分けて気まずそうに入ってきたのは、佐藤だった。 「あ、さ…佐藤院長。」 「ハハ!! こりゃ偶然だ!! 今丁度芹沢君と佐藤院長の話をしていたんですよ~!」 「…私の話を?」 佐藤は、一瞬驚いたような顔をして、それからにこりと笑った。 「…。」 なんだろう、一言で言えば。 違う。 なにかが、違う。 でもそれは、一体なんなのだろう。