「じゃ、俺はこれで」 俺は佐藤に背中を向け、そのまま校門へと向かった。 隣の部屋は、引き払いになっていた。 卒業式がおわってすぐ、海外に行くんだと。 「あ、ぉおー。 佐藤も頑張─────…」 芹沢は、途中で言葉を止める。 それでも俺は、振り向かなかった。 立ち止まらなかった。 …のに。 「佐藤!!!!!! …オレは、お前の考えを変えられたかな!!!!?」