「…それで?」 「芹沢は、俺の首にマフラーを巻いた。 そして、『頑張れ』と言った。 俺は、《頑張れ》って言葉が大嫌いだったはずなのに、芹沢が言った響きは嫌いになれなかった。 芹沢が巻いたマフラーは、俺の身体が冷え切っていることに気付かせてくれた。 “あったかい”を、教えてくれた。 …ほら、俺の中はいつの間にか、芹沢のコトばっかりだ。」