(…あ、ダメだコレ、)

視界がぼやける。
俺が今立ってるのか座ってるのかすら分からない。

あぁ…俺はこのまま死ぬのか?
その方が、ずっと楽だ。

どうかこのまま、死ねますように。

「…佐藤?佐藤!!」

五月蠅いな。
黙って寝かせろ馬鹿。

俺は今、最高の気分に浸ってるんだ。
邪魔をしないでくれ。

やっと…やっと休める。
もう何も考えなくていい。

何も気にしなくていい。

傷つかなくていい。
嫌われなくていい。

期待されなくていい。


俺にとって死とは解放だ。
俺を縛る呪縛から解き放ってくれる、唯一の手段。

ようやく、俺は死ねるのか。

俺は…もう頑張らなくていい。
よかった…

《佐藤、オレは____
…いや、なんでもない。》

…あの時の答え、聞いとけばよかった。


ごめんな、芹沢。