やばい、コイツ本気で怒ってる。
なんて言い訳を─────…
キキッ
途端に聞こえた車のブレーキ音。
中から出てきたのは…
「っな、芹沢?!
どうしてここに…?!」
「めっちゃ頑張って佐藤の乗ってる車つけてきた。」
「そんなところで頑張るなよ!」
ああもう、最悪だ。
「…おはようございます。」
「おはようございます。…で、どちら様?」
呆れた。
なに挨拶してるんだ。
「…トモキの弟の、ユウです。
どうぞよろしく。」
「佐藤に弟がいたなんて知らなかったなぁ~。」
「言う必要はない!
さっさと帰れ!」
「でも佐藤、はい。」
「…?」
「ネクタイ、忘れてたから。
昨日家に泊まったとき、洗濯かごに入れっぱなしだったよ?」
「……へぇ。
兄さん、昨日はこの人の家に泊まったんだ。」
…弟の笑顔が怖い。


