「もしかして違う言葉だった?」 「え。」 「朝陽は本当に来愛が好きなの?」 「す、好きだ……」 「何その歯切れの悪さ……」 俺は莉子の目に吸い込まれそうだ…… 「俺は、来愛が好きだ……!」 「そっか……そこまで言われちゃあね……」 そう言った莉子は俺の元を離れ、 来愛が居るであろう本屋に向かった。 俺、彼氏失格じゃねえのか…… 来愛を好きだと言えなかった。 だけど、もう言える。 次聞かれたら言える。 絶対言える。