「行こうか……」




ん?なんだか反応が薄い……



変だったのかな……



私よりも先に歩いている朝陽くんの背中を見つめた。




朝陽くんどうしたのかな……



私どこかおかしかった?



私はちゃんと整えた髪の毛を触った。



あ。崩れてる……
走ったから……




朝陽くんこの髪を見たから何も言ってくれなかったのかな……





なんだか帰りたくなってきちゃった……




そんな事を考えながら俯いていた顔をあげた。




「あれ……?あさ、ひくん……?」



私の前に居たはずの朝陽くんの姿が無かった。



あるのはたくさんの人。



私人ごみに流されちゃってたんだ……