ツンツンしてた夕陽が柔らかくなったのは
全部陽菜の努力だ。


小さいのにほんとに頑張るよ。


俺は、そんな陽菜をずっと見ていたんだ。


俺達の前では一切泣かない陽菜。



それでも俺は夜中に
隠れて部屋で泣いてる陽菜を知ってる。


自分自身に腹を立てて怒っている陽菜も知ってる。


まぁ、俺が知っていることを
陽菜は知らねえだろうけどな。


「アサ兄!!行ってきます!」

「あ、おう!!気をつけろよ!!」


俺の顔の前で手を振りながら
そう言って玄関を飛び出していった陽菜。




「変わったな陽菜。」




俺は、玄関の方を見つめて呟いた。