しばらく帰り道を歩いていると、
私の携帯が鳴り出した。


「出ていいよ?」

「あ、うん。ごめんね?」


携帯を見ると、莉子ちゃんからのメールだった。


「あ、メールだ…」


【さっきのアメリカに帰る話、朝陽には言わないで…】


というなんとも短い文章だった。



言わないで…?どうして……?


「どうかしたか?来愛」


「あ、えーっと………り……」


私は、莉子ちゃんがね?と言い出しそうになった口を
両手で塞いだ。


「ん?」


朝陽くんには困った顔をさせてしまったけど、
莉子ちゃんが言うなって言うなら………


でも、これで、本当に莉子ちゃんは笑顔になるの……?