「でさ。そういうのもあって……不安になる時があって。友達と話してるとさ、どの子がかわいいとか、付き合いたいとか、そういう話になるんだ」
なんだ。男子も女子も、同じようなこと話してるんだ。
「杏奈の名前がダントツで多くて。自分の彼女がそう言われるのって、誇らしくもあるんだけど……なんていうか、エロい目で見る奴もいるわけで……」
その言葉に、あたしは一人、目を見開く。
「そういうこと言われると、すげぇムカついて。そういう男ばっかりなんじゃないかって気になって。そこに、近付く奴がいるもんだから」
雄平は、首の後ろに手をやって、言いにくそうに、けれどしっかりと伝えようとしてくれる。
「しかも、“あの”東郷先輩だろ?手ぇ出されるんじゃないかって、心配で……。だから、異常に妬けて。杏奈にキツく当った。……ごめん」



