「どうもー」と美菜が、「杏奈にはいつもお世話になってます」と鈴音が、そして雄平が、


「あ、こちらこそ。杏奈が仲良くしてもらってるみたいで。こいつ、友達作るの下手だから。良い友達ができたみたいでよかった」


いつもの調子を取り戻し、そんなことを言うものだから、美菜がおもしろがって食いついてくる。


「え、杏奈ってコミュ障だったの?」


コミュニケーション障害って……それは言い過ぎだけど、中三の時になかなか友達を作れなかったという苦い実績があるから、言い返せない。


「美菜、そろそろ行くよ」


美菜の悪ふざけが始まりそうだったので、鈴音がそう切り出してくれた。


「そだね。邪魔者は退散!じゃ、またね」