放課後、帰り支度を終えて教室を出ると、雄平が待っていた。

話そう、と言っていたから、来るとは思っていた。

事情を知らない美菜や鈴音は、ニヤニヤしながら顔を見合わせている。

こんな時だけど、せっかくだから雄平に紹介しよう。


「雄平、紹介するね。浦沢美菜と、藤塚鈴音」

「あ、どうも」


急なことで少し慌てながらも、雄平はペコリと小さく頭を下げる。

あたしは次に美菜と鈴音に向き直り、雄平を紹介する。


「それから、こっちが小野雄平。……あたしの彼氏」


美菜と鈴音の無言の圧力に耐えかねて、照れくさい紹介をさせられてしまった。

雄平がちらりとあたしを見たのがわかったけれど、気付かないふりをする。