それなのに、あたしの誓いも虚しく、東郷先輩と再び顔を合わせることになる。
「伊田ちゃん!また会えたね!何これ、運命?」
一年生の教室は最上階の四階。
どこかへ行く時に、かなりの確率で三年生の教室が並ぶ二階を通ることになるのは、至極当然のこと。
運命なんて、そんな大それたものでは、断じてない。
「違います」
運命、か。
雄平が、よく言っていた。
あたしと雄平の腐れ縁を、運命だって。
だから、
「運命とか、言わないでください」
言っても無駄とわかっているから、声が小さくなるけれど、言わずにはいられなかった。
そうでないと、東郷先輩と雄平が重なってしまう。
そんなの、あたしが許さない。