心の底からうれしいと思ってくれていると、わかる笑顔だ。
あたしも、急に照れくさくなり、うつむいてしまう。
繋いだ手は、そのままに。
別々の方向を見ていても、繋がっていることがうれしかった。
あたしはもう一度、そっと顔を上げる。
雄平に気付かれないように、その横顔を見つめた。
心の中で、問いかける。
雄平も、あたしに触れたいと思ってくれている?
キス、したいと思っている?
それ以上も……?
もしそうなら、どうして、してくれないの?
その問いを浮かべた瞬間、胸が痛いくらいに締め付けられた。
雄平の心が知りたい。
でも、聞けない。
握った手に少しだけ力を込める。
あたしの気持ちが、ここを通って少しでも流れ込んでくれたらいいのに。
そんな馬鹿げた願いが叶うことを、半ば本気で期待していた。