「鈴音さん……美菜が暴走してますけど」


小声でそう言うと、鈴音は何ともなしにさらりと言ってのける。


「ん、いつものこと。それに、ほら。事実だし」

「鈴音さん……大人です」

「美菜の方が早いしね。中一だもん」

「ぅえっ!?」


本日二度目の衝撃の告白に、思わず変な声が上がってしまった。

だって、中二でも早いって思ったのに、中一って……。

ついこの間まで、小学生だった頃に、だなんて。

自分に置き換えてみると、到底想像できない。

美菜を見ると、「もー言わないでよー」なんて、自分のことを棚に上げて膨れている。

そんな子どもっぽい表情をしているのに、なんだか美菜が大人に見えてきた。


「美菜さん、いや、美菜姐さんと呼ばせていただきます」


そう言うと、美菜は無邪気に笑う。

ころころ変わる表情だけ見ていると、やっぱり無邪気なのに。

発言は爆弾だ。