時は放課後、教室に残るのは、おしゃべりが仕事とばかりの乙女達。
「鈴音、彼氏いたんだ」
あたしは鈴音を横目で見やる。
散々あたしを冷やかしておきながら、自分は大学生の彼氏がいるときた。
ここに集まった中の誰より年上の彼氏がいるということで、さっそく質問攻めに遭っている。
「エッチした!?」
歯に衣着せぬ物言いにたじろいだのは、あろうことかあたしだけだ。
さすが高校生、赤裸々な会話もお手の物。
みんな、興味津々に鈴音に視線を送っていたけれど、彼女に代わって美菜が笑い飛ばす。
「当然じゃん!てか、鈴音の初体験は中二だし」
その衝撃の告白に、鈴音を除く全員が沸いた。
「早っ」
って、美菜!そういうこと、人に話していいわけ?
慌てふためいて鈴音の顔色を伺うと、当の鈴音は涼しい顔をしていた。