描きたかったもう一つのものは、人間臭さ、です。
誰にもコンプレックスや弱い面、汚い面がある、それが人間というものです。
いつも明るく余裕たっぷりの雄平は、かつて、弱さのあまり鳴海祥子に逃げました。
それは彼にとって、後悔という言葉では言い表せない経験です。
なぜなら、もう一度過去に戻っても、おそらく彼は同じことを繰り返すからです。
あの経験によって生まれたものがある、それはつまり、あの経験が、彼を形成する一部となったということです。
決して正当化するわけでなく、けれど彼にとってそれは意味のあるものとして、受け止めなければならないのです。



