過去の過ちを全て許すことは愛ではないと思いますし、また、恋人のことを全て把握することが、「大好きな彼を形成するものを愛する」ということでもありません。

人と人との関係は、白と黒には分けられません。

今回杏奈が選んだ道は、選択肢の一つに過ぎず、おそらく杏奈も、雄平の過去を全て許すことなどできないでしょう。

それでも受け入れたいと思ったから、向き合うことを決めたのです。

そして、「知らなかったことにして付き合う」のも、逃げているということではなく、それもまた、選択肢の一つなのです。

あらゆる場面であらゆる選択をできる、それは自分を守るために重要な自由度です。