走って、走って。
追いかけてくる夕日をも、置き去りに。
雄平を乗せた電車は、もう出てしまっただろう。
けれど、地元に着いて家路を歩くその背中さえも、追っていく覚悟だった。
考えがまとまっているわけでも、全てを受け入れる覚悟ができたわけでもない。
雄平と向き合う決意だけが、あたしの背中を強く押した。
駅に着き、改札を駆け抜ける。
向かい側のホームに、雄平の姿を見た。
「雄平!!」
けれど次の瞬間に、滑り込んできた電車がその姿を隠す。
今から走っても間に合わない。
けれど、走った。
階段を駆け上がり、電車を降りてきた人の波をかき分け、また階段を降りる。
ベルが鳴り、扉が閉まる音を聞きながら、それでも走った。



