向かい合って、杏奈は自分の頭と俺の頭の上に手を行き来させ、二人の身長差を確かめている。
入学当初から既に長身の杏奈と、誰よりチビだった俺の身長が、その差を縮めていた。
いつの間にか。
「男の子の成長って早いな」
ほとんど同じ高さにある杏奈の目が、わずかに細められる。
悔しそうに見せながらも、俺の成長を喜んでくれているような温かさを感じた。
「ずっと一緒にいると、気付かないものだね」
気付かなかったのは、俺だ。
杏奈はこうして、俺の成長に気付いてくれた。
俺が男だってこと、ちゃんと認めてくれていた。
それなのに、俺は。



