「ちょっ……先輩!何やってんの!」
起き上がろうにも、先輩の体があって、身動きが取れない。
先輩は俺の質問を律儀に聞き取り、答える。
「雄ちゃんが男の子だっていうことの証明」
しかし俺には、その真意を理解する余裕もない。
「何だよそれ!いいから早くどいてよ」
「やだ」
先輩が、ふっと笑顔を消した。
作り物のように整った顔立ちの美しさが、際立つ。
この人は、笑顔と真顔とで、全く違う魅力を持っているのだと、俺は今初めて気付いた。
だって鳴海先輩は、いつも明るい笑顔だから。
「雄ちゃん」
先輩の細い指が、俺の頬をなぞる。
「あたしは雄ちゃんのこと、男として好きだよ」
色っぽい目が、俺の自由を奪う。
「鳴海先輩……?」



