やっぱり、変な人だ。
でも、一緒にいると、ふんわりと穏やかな気持ちになれる。
ささくれ立った心が、そっと撫でられるようだ。
「俺さ、失恋したかも」
俺の言葉に、鳴海先輩は小首を傾げる。
「“かも”?」
失恋、かも。
本当にそうなのか、それとも、そもそも俺が杏奈に恋をしていたこと自体が幻影だったのか。
考えるのが面倒で、腕を枕にして後ろに倒れた。
草と土の温かさが、背中にじわりと伝わる。
頭上を仰げば、木の葉を縁取るような光の線と、その隙間に青い空。
その綺麗な光景を見ていると、自分がどうしようもなく情けなくなり、思わずつぶやいた。
「俺って、ガキだな」



