「あ、雄平、おはよー」
まともに寝ていない頭を覚醒させられるのは、ただ一人。
かすんだ視界がクリアになり、綺麗な顔と目が合う。
おはよう、と、返せなかった。
焼けただれた喉を、声が通過するのが遅れる。
「眠そう。遅くまでゲームでもしてたんでしょ」
そう言って、大人びた笑みを浮かべる。
その笑顔が、昨日、あの男に向けられていた微笑みに重なる。
憎まれ口に優しい色が含まれている気がするのは、昨日あの後、あの男と良いことでもあったせいか?
一晩経っていくらか沈静していた感情が、再び沸点に達する。
「んなガキみたいなことするかよ。お気楽だな」
いつまでもガキ扱い、まるで姉貴気取りだ。
あいつの前では、女の顔するくせに。
さすがにそれは、口には出さなかったけれど。



