今日は教室の掃除当番が杏奈と一緒になった。
ホウキで野球をやって女子に怒られるというお決まりの儀式の後、掃除が粗方済んだところだった。
「ちょっと雄平!黒板全然綺麗になってないじゃん!」
そう言われて、俺が掃除の担当だった黒板を振り返る。
杏奈が怒るのは無理もない。
上半分に、黒板消しを動かした形跡がうろこ状に残っている。
背の低い俺に届かない部分を、ジャンプしながら殴るように消した結果だ。
「届かないなら椅子使うとか、方法があるでしょ」
そんなの、男としてのプライドが許さないんだ。
杏奈にはわからないだろうけど。
俺は口を尖らせて、再び黒板消しを手に取る。



