男らしい仕草であたしを惑わしたかと思えば、無邪気な笑顔で和ませる。
あたしの心は雄平の一挙一動に振り回されてばかりだ。
いつの間に、雄平のペースで事が進むようになってしまったのだろう。
それは心地良くもあり、でもやっぱり、悔しくもある。
「好き」
ほら、また。
ふいに耳をくすぐる吐息と声が、あたしの体の自由を、心の自由を、奪う。
まっすぐに気持ちを伝えてくれるところも、素直なところも、雄平の良いところは、昔も今も変わらない。
……ううん、それは少し違う。
雄平は中学生の頃よりも、もっと優しくなって、もっと大人っぽくなって……もっと、かっこよくなった。
あたしはそんな雄平を、あの頃よりもっと好きになった。
そして。
現在進行形で、もっと、もっと、好きになる。