「……あ……」 沙良先輩が何か言おうとするけれど、声にならない。 かわいそうになるくらいうろたえて、今にも泣き出しそうだ。 哀れだ。 怒りよりも、今はそれが強い。 「伊田ちゃんと美菜ちゃんに謝って。そんで、二度と顔見せないで」 いつもより低い声が、沙良先輩を突き刺す。 「沙良、行こう」 他の先輩が、沙良先輩の手を引く。 そして、あたしや美菜のことを見ることなく、引きずられるようにして去って行った。 「謝れって言ったのに……」 東郷先輩が、呆れたようにため息をつき、あたしの腕を離した。