地面についた手を、握り締める。
手のひらが切れているのか、チクリと痛んだ。
「こんなことして、何になるんですか……!?」
上体だけ起こして、あたしは沙良先輩をにらむ。
『歩ちゃんのこと、すごい好きでね。一年の時からずっと。だから、仲良くしてる女の子を見ると、やきもちを止められないみたいなんだ』
鳴海先輩は、そう言って、あたしに絡んできた沙良先輩をかばった。
それなのに沙良先輩は、その行為を繰り返す。
沙良先輩は、鳴海先輩をも裏切っている。
「こんなことしても、東郷先輩は手に入れられないのに!」
沙良先輩の瞳が、揺れた。
そして、何か言おうと口を開く。
けれどそれは言葉にならなかった。
「正解」
背後で聞こえた声に、遮られて。



