三年生の女子に絡まれたことを、美菜と鈴音に話した。
鈴音は不安げに眉を寄せ、美菜は怒りを露わにする。
けれど鳴海先輩に助けられたことを言うと、二人は揃って目を丸くした。
二人の筋書きでは、鳴海先輩は雄平を本気で気に入り、そして彼女があたしだということを知っていて、略奪を考えているということだ。
だからあたしを邪魔に思っていて、沙良先輩達にやられることは、むしろ喜んで見ているのではないか、という。
「二人とも……ひどい」
あたしはがっくりと肩を落とした。
まったく、冗談にしても言い過ぎだ。
そんな怖いこと、想像するのも嫌だ。
「鳴海先輩、いい人だったんだね」
鈴音が言うと、美菜も渋々頷く。
美菜は鳴海先輩を毛嫌いしていたけれど、少し見方が変わったようだから、それだけは良かったと思う。
「鈴音も美菜も、気を付けてね」
あたし達は、単独行動は控えようという誓いを再確認した。
けれど敵は、手強かった。