「その写真、今ある?」
そう聞くと、雄平は鞄の中から数枚の写真を取り出した。
あたしの予感は、悪い物ばかり的中する。
「ただ偶然会って話してただけなんだよな?」
そうだと言ってくれ、と懇願するような声だった。
写真はガラス越しに窓の外から撮られたもので、あたしと東郷先輩が階段に並んで座り、微笑み合っているところだった。
知らない人が見たら恋人同士に思うほどに、楽しげで、温かな空気に満ちていた。
あたしにはそれが意外だった。
だってあの日話していたことは、笑って話せることではない。
偶然にもこのシーンを捉えてしまった撮り手に、むしろ感心した。



