「杏奈のこと、疑ってるとかじゃないんだ。ただ……」
また、言葉を詰まらせる。
詮索しているわけじゃない、ただ気になるから聞いてるんだと、その横顔は語る。
気持ちはわかる。
あたしだって、そうだから。
「何かあったの?」
促すと、ようやく雄平があたしの顔を見た。
「机の中に、写真が入ってた。そこに杏奈と東郷先輩が、二人で写ってた」
スーッと、背中を冷たいものが走る。
やましいことがあるわけじゃない。
でも、もしそれが、あの階段でのものだったとしたら。
雄平はあの場所だと気付くはずだ。
それを見て、どんな気分になる?
あたしだったら、耐えられない。



