正直なところ、雄平は香織に告白されて、どう思ったのだろう。
当時の香織といえば、学年内で、ううん、たぶん学校中で一番かわいい子だった。
目立っていたし、実際、よく告白されていた。
そんな子から告白されて、悪い気がするわけがない。
雄平は……やっぱり、うれしかったのだろうか。
雄平の横顔を盗み見る。
雄平は、どうして香織の告白を断ったのだろう。
当時からあたしを想っていてくれた、というのは、あまりにも自惚れ過ぎているだろうか。
こんなこと、とても聞けない。
ふいに、雄平がこちらを見た。
見つめているのを隠そうと目を反らす間もなかった。
雄平はいたずらっぽく笑うと、
「友達もいいけど、俺とも遊んでよ?」
そう言って、あたしの頭をくしゃくしゃと撫でた。
おかげで髪が乱れるけれど、そんなことまで気が回らない。
照れくささに、どういう顔をしていいかわからず、うつむいてしまった。



