雄平の過去を、愛したいとは思わない?
「あたし、は……」
あたしが好きになったものは、何?
今の雄平が、雄平であるということは、これまで生きてきた過去があるから。
それがなければ、あるいは違うものだったとしたら、今の雄平は、あたしが好きになった雄平とは別人ということになってしまう。
「あたしは……」
雄平が、好きなのに。
「知らなかったことにして付き合っていくのと、過去も全部ひっくるめて愛すのと、伊田ちゃんはどっちがいい?」
東郷先輩は、意地悪だ。
答えは決まっている。
でも、今のあたしは、その答えを選べない。



