嫌なことを言う。
だから、理屈じゃないと言っているのに。
「そんなの、あんまりじゃない?それとも、これから彼氏にするのは童貞君に絞る?だったら伊田ちゃんが悩む必要はなくなる」
それじゃあまるで、経験がないから好きになったということだ。
それは、お金があるから、学歴があるから、こういう条件があるから好きになった、と言っているのと一緒だ。
そんなの、愛じゃない。
雄平を好きになったことに、そんな打算はこれっぽっちも無かったはずだ。
「あたし、雄平のことが好きです」
条件とか、打算なんて抜きにして。
だけど、だから。
理屈通りにいかないことに、苛立ちが募る。
好きだけど、好きだから。
受け入れるのが難しいことが、存在している。



