「彼氏が生まれて初めてするセックスの相手が、自分じゃなきゃ嫌?」
東郷先輩の言葉に、体が強張る。
つまりあたしが言いたいのはそういうことなのだ。
先輩が言葉にすると冷たく響き、その願望の真の意味を、改めて考えさせられる。
「じゃあキスは?手を繋ぐのは?デートをするのは?映画に行くのは、遊園地に行くのは……言い出したらキリが無い」
呆れるでも、非難するでもなく、先輩は淡々と紡がれる言葉に、あたしは責められているような気分になった。
辛うじて抗議の言葉を口にする。
「さすがに、そこまでは……」
「どうして?」
東郷先輩はあたしに視線を移し、心を探るように見つめる。
どうして?だって、いくらなんでも現実的じゃない。
でも、それは本当の答えではないような気がして、言葉にはできなかった。



