そんな、何もしないまま決めつけるなんて。
いつものチエらしからぬ行動にわたしはどうしたらいいか分からず、とりあえずチエを連れて保健室へと連れて行った。
先生は不在みたいだけど部屋の鍵は空いていたので簡単に入ることができた。
一番奥のベッドにチエを座らせて気持ちを落ち着かせる。
「待ってて、飲み物買ってくるから」
「いい、いらないからもう少しそばにいて」
大雅さんが聞いてら鼻血ものだろうな、と思いながらチエの隣に座る。
「チエ、確かめたほうがいいんじゃない?」
「ダメなの。こわいの。今の私のままで会いに行ったら絶対大雅くんを責める言葉しか出てこないもの。冷静になんて、今はできない」
確かにそうかもしれないけど。でも今この状況がいいとはとても思えない。
大雅さんは、知っているのかな、チエが見たことを。
「こはるが羨ましい」


