「名前で呼んでくれるまで離さへん」 にやりと笑いながら答える。 もう!もう、もう!もう!! 「し、修平くん」 「なに、聞こえへんねんけど」 「修平くんってば!」 わたしがそう叫んだのと同時に手が離れた。 「なんや、もっと手繋いでいたかったのに」 さらっと、そんな事を言う修平くんに少しだけ心臓の鼓動が速くなる。 いや、ダメよこはる! わたしは人妻なんだからっ! 「ど、どうしてこんな事をするの?」