香水は付けてないけれど、ほんわりと香る、大和さんの匂いに
少しだけ安心する。
「こはる?」
これを聞くのはもう何度目だろう?
でもいつも聞かずにはいられないのだ。
「ほんとに、本当にわたしでいいんですよね」
「何回目だよ、その質問先にプロポーズしたのはお前だろうが」
「そうだけど」
下を向くわたしの頭を大和さんが優しく撫でてくれた。
あのプロポーズから2週間が経った。
大和さんのご両親も、何度か会っているので最初報告した時は驚いたけれど
すぐに大賛成してくれて。
そして私達は無事に婚姻届を出す事が出来た。
でも一つだけ両家から条件を出された。


